『Team of Teams』

組織はその中にいる者に権限を与えるべきだが、それは意識の共有の実現という難問を解決した後での話だ。

サプライチェーン・マネジメントから援助物資の配布、マーケティング、一国の統治に至るまで、複雑な環境に適応しようとする人の仕事にはすべて、何らかの建設的な営みが欠かせない。意識の共有がないまま実行権限を付与するのは危険なことなのだ。

意識の共有もまた、強力ではあってもそれだけでは不十分だ。全体像への意識を築き、連携を推し進めることによって、目標を共有し、より結束した集団ができる。だが、それだけで組織の潜在力が十分に発揮されるわけではない。権限を分散させないままこのやり方を続ければ、新たな発見に基づいて行動できないことにいら立ちが募り、高まっていた式がすべて裏目に出てしまう。

意識共有のない権限移譲とは全く同じように、権限移譲のない意識共有も失敗する。

意識の共有というのは、組織の人間を結びつけるための入念に手入れされた全員参加型の公開会議を意味する。実行権限の付与は、権限を組織の末端へと行き渡らせる、徹底的な分散の仕組みの事である。

意識の共有と実行権限の付与が結び付くと、それぞのれ部分の総和より大きな力が生まれる。


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