ラリー・ダイアモンド『浸食される民主主義』

なぜ民主主義にこだわるのか。なぜ民主主義はそんなに重要で、なぜ人々は民主主義のために命を危険にさらし続けるのか。そしてなぜ私は、生涯をかけて民主主義を学び、擁護してきたのか。民主主義は完璧なシステムではない。

問題は、民主主義なくして自由を手に入れることはできないということである。これは当然のことに聞こえるかもしれないが、しばしば見失われがちなポイントである。

憲法による権力の制約がなければ、恐怖の共和国しか存在しえない。

1970年代から2000年代初期にかけてみられた民主主義の驚異的な進歩は、アメリカと西欧の力と理想主義、そして精力的な支援によって大きく促進された世界的な現象であった。自由の後退という趨勢もまた世界的な現象であり、今回はモスクワと北京から引き起こされている。

復活しつつある先生国と新興の共産主義超大国は、偽情報を拡散し、民主主義の規範や制度を秘密裏に破壊する活動に多額の投資を行っており、効果を挙げている。彼らの大胆な挑戦は、世界的な対応を必要としている。ワシントンがその広範な責任を再確認した上で、世界の民主的リーダーとしての地域を再確立し、民主主義の価値、メディア、市民組織を促すための新たな世界的なキャンペーンを展開する必要がある。

そのためには、専制の闇の部分であるクレプトクラシー(国の資源、財源を権力者が私物化する政治体制、泥棒政治とも言われる。)を徹底的に攻撃する必要がある。

民主主義を研究してきた40年間で、私が最も影響を受けた格言がある。民主主義の運命は個人が決められる、というものである。

ロバート・F・ケネディ上院議員がアパルトヘイト全盛期の1966年、ケープタウン大学で南アフリカの学生に向けて行った演説の一節である。ケネディは「勇気と信念を持った無数の人々の多様な行動が、人類の歴史を形成する」と感動的に語りかけた。当時、この言葉は私の信念となった。そして何十年もの研究と経験を経て、今ではこの言葉は私の結論となった。


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