冨山和彦『会社は頭から腐る』
戦略とは一般的な言葉で整理すると「競走上の中長期的な優位性を構築するための合理的な施策の体系」となる。
言い換えると、絶対的な経済合理の方程式「収入マイナス支出はゼロより大なり」を持続させるメカニズムとも表現できる。この施策の体系はどのような要素で構成されるのか。
①自らの市場の理解、②競争ポジションの理解、③競争の中で利益を上げるための基本的な経済構造の理解
戦略の策定とは、こうした要素を取捨選択しながら決めてゆくこと。自社の強みを引っ張り出せるような戦略を策定していく。
3つの要素のうち、市場や競争の理解よりも、基本的な経済構造の理解のほうが、はるかに重要。
市場や競争は頻繁に変化するが、基本的な経済構造は実はあまり変わらない。
戦略策定で致命的に間違えるケースとは、市場や競争状況に目を奪われて、この基本的な経済構造に反することをやってしまうことである。