冨山和彦『会社は頭から腐る』
経営はとにかく人である。人の動きがすべてである。人の行動を支配している動機づけやその人の人間性と、組織として追及しなくてはならない目的や戦略とが同期するとき、両者は最小限の葛藤で最大限の力を発揮する。
より多くの割合でこの同期が達成されれば、その組織はより大きな力を集団として発揮する。これができれば経営者自身も含めて個々には弱い人間の集まりを、企業体として極めて強力な先頭集団へと昇華させることが可能となる。しかもそれを市場や競合、技術革新、規制といった環境要因の変化に対応しながら持続的に行わなければならない。これがマネジメントなのだ。