仕事ができ、事業を引っ張ることができる方は、学校で習ったり、本を読んだ知識が豊富な人ではなく、「精度と汎用性の高い経験則」をもった人です。そして、企業の中で特に重宝される方は、その中でも通常の人が持ち得ていない知恵を体得しており、多くの人には難易度の高い問題についても、誰よりも的確な判断ができる方です。
仕事ができるとされている方々は、単に高学歴であるとか、IQ が高いという人ではありません。未開拓な分野の仕事や、みなが避けたがるような修羅場ともいえる状態に、他の誰よりも数多く直面した経験、あるいは挑戦した経験をもっています。そしてその現実の修羅場で知恵をしぼり、対処をし、みなが認める結果を残し、難易度の高い着地を成功させてきた方です。 この方々は持ち前の地頭のよさだけではなく、さまざまな読み違いに対しても、その場の的確な判断で対処をすることによって、成功の道を開くための経験則を自分のものにしてきました。
ビジネスにおける学習とは、自らの経験を、汎用性をもたせて精度高く法則化することなのです。個人のみならず組織の「実践力」を向上させるPDCA □ 個人のみならず組織の「実践力」を向上させるPDCA  仕事のできる方、つまり企画力と実践力のある方は、事に際しては「よく考えて企画を組み立て(Plan)、しっかりと実行し(Do)、結果を検証して(Check)、自分のやり方や考え方を修正し、進化させる(Action)」というPDCAの基本動作をまっとうに繰り返すことで正しく経験を積み、力をつけてきた方です。
 このPDCAを「理」をもって繰り返して廻すと、その課題やプロジェクト、あるいは事業の特性が浮かび上がってくることになり、Do’s and Don’ts(やっていいこと、悪いこと)が明らかになってきます。これは当初の闇夜のような状態から、だんだんと足元に明かりが灯っていくように見通しがよくなり、「視界」がよい状態になっていくのと同じです。 結果として、PDCAを的確に廻している当事者である人や企業には、その課題や事業については、誰よりも、そして他社よりもしっかりと見渡すことができ「次に何が起きるか」を見通せる能力と知見がついています。
(PDCAプロフェッショナルより)