プロ経営者の7つの条件
1.どんな状況の会社に行っても、短期間で問題の本質を発見できる人
2.それを幹部や社員にシンプルに説明できる人
3.それに基づいて幹部や社員の心と行動を束ね、組織の前進を図れる人
4.そしてもちろん、最後に成果を出せる人
5.業種、規模、組織カルチャーなどの違いを超えて、どこの企業に行っても通じる汎用的な経営スキル、戦略能力、企業家マインドを蓄積している。
6.その裏付けとしてプロ経営者は、過去に修羅場を含む豊富な経営経験を積んでいる。難しい状況に直面しても、これはいつか来た道、いつか見た景色だと平然としていられる。
7.プロには自然にそれなりの高いお金がついてくる。

フレームワークの重要性
経営者の優劣はフレームワークの有無で決まる。
フレームワークとは、物事の本質や構造を理解し、わかりやすく説明るための枠組み。
有能なリーダーは何か異常を発見した時、頭の引き出しの中に「本来ならこうだ」「正常ならこうだ」というイメージや考えをすでに持っている。それと照らし合わせて、目の前の状態が正常か異常かを判断する。
有能なリーダーほどフレームワークをたくさん持っていて、場面ごとに使い分けている。

時間の戦略
「時間」は三枝のビジネス人生のなかで決定的に重要な役割を果たしてきた戦略概念
90年代初め、トヨタ生産方式は単なる生産改善手法ではなく、、企業の時間の戦略として機能していると米国人コンサルタントが喝破。
リエンジニアリング、サプライチェーン、ERP、インダストリー4.0へつながる。
企業の競争性を高めるには、社内の仕事のプロセスを見直して「時間短縮」の武器を導入する必要がある。

経営の切断力
惰性に任せてきた経営の流れを切断し、組織の新しい方向性を導き出し、それを実行すること。
まずは問題のボトムに潜む本質に迫り、問題の構図を単純化する。
それに基づいて新たな戦略を組み立て、いま、そこにいる人々のマインを再結集させ新たな外への戦いに向かっていく。

日本企業の改革のあるべき姿
日本企業を元気にするポイントは、人減らしの発想ではなく、いまそこにいる人々の目を輝かせる手法を追求すること。
日本人はもともと優秀。弱体化した化日本企業が海外企業に勝てる最後のよりどころは日本人の能力の平均点の高さ。
経営リーダーが戦略を明確に打ち出し、共感した社員がスクラムを組んで走り始めたら、これが同じ会社かと思うくらい何倍もの働きを始める。
三枝は過去に手掛けた事業再生で何度もそれを経験した。
そこには、欧米企業が絶対にまねできない日本的メンタリティーが作動している。
それが日本企業が追求すべき改革の姿。