『ザ・会社改造』三枝匡

間違っ て いる。   それ は、「 やっ て みれ ば わかる」 こと だ。 しかし、 逆 に 言う と「 やっ て み ない と わから ない」。 これ が、 トヨタ 生産 方式 による 改善 で 必ず ぶつかる 壁 で ある。  

というのも、「 カンバン 方式 による 改善 を どう 進める か」 といった 手法 を 解説 し た ノウハウ 本 は 世の中 に たくさん ある が、「 その 手法 の どれ を 実行 し たら どの くらい コスト が 削減 さ れる か」 を 示す 理論 体系 や 方程式 は、 この世 に 存在 し ない から だ。

個々 の 現場 では、 あまりに も 多岐 にわたる 要素 が 関係 し て い て、 効果 機序( 何 かを 変え た とき の 効果 が 及ん で いく 順序) は 動態 的 で ある。 多く の 相互作用 が 複雑 に 絡み合い、 変動 する。 実際 に よかれ と 思っ て ひとつ の 変更 を 行っ ても、 予想外 の マイナス 要素 が 出 て き て「 これ じゃ 逆効果 だ。 元 に 戻せ」 と なる など、 試行錯誤 の 繰り返し なので ある。  

三枝 は こう 言う。 「私 は 経営者 として 論理 志向 人間 だ が、 トヨタ 生産 方式 だけは『 まず やっ て みろ』 だ。 理屈 が 見え ない から、 どうしても 社内 から 反対 者 が 出る。 だから、 この 手法 は リーダーシップ の 弱い 会社 では 完遂 でき ない」

勉強 すれ ば 基本 的 な ノウハウ は いろいろ 揃っ て いる。 基本 に 忠実 に、 改善 を「 正しい 手法」 で やっ て いけ ば いい。 それ 以上 の 理屈 は ナシ だ。 そして、 試行錯誤 の 苦難 を 通過 する と、「 確か に これ は すごい」 と わかっ て くる。 そう なる と、 あら 不思議、 それ までの 抵抗 派 の なか から、 理屈 抜き で コロリ と 賛成 派 に 変わる 人 が 出 て くる。  

賛成 派 に なっ た からと いっ て、 論理的 に 説明 できる 理屈 が それほど 増え た わけ では ない。 理屈 抜き に「 ダメ」 と 言っ て い た のが、 理屈 抜き の まま「 とにかく よい」 に 変わる の だ。「 体 を 動かし て み たら わかっ た」 という 肉体的 な 納得 感 が 幅 を 利か せ て いる としか 言い よう が ない。  

そこで 三枝 は 社長 として この 13 年間、「 コスト 削減」 と 叫ぶ 代わり に、 ひたすら「 リード タイム 短縮」 と 叫び 続け て き た ので ある。

Posted by J-Log at 14:14 | Permalink

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