損益分岐点の改善方法
損益分岐点分析により、黒字化するために必要となる売上高(損益分岐点を上回る売上高)が分かります。
対策には、売上高を上げるのが一番簡単のようですが、顧客もあり、直ちに効果を生むことはできません。
一方で、変動費や固定費は自社の内部のことなので、これらを削減することによっても、現在の売上高のままでも損益分岐点を下げることができ、ひいては黒字化することができると理解できると思います。
ここが、損益分岐点分析の一番重要なところです。
売上高を上げなくても、黒字化を達成することができるのです。あたりまえのようですが、数値でみれば、どの程度変動費や固定費を削減すれば良いか、シュミレーション可能ですから、やる気も起きると思います。
まずは、固定費を良く見直しことが重要です。
もう一度、固定費を見直してみたいと思います。
【製造業】
固定費 直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却
費、賃借料、保険料、繕料、水道光熱費、旅費、交
通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、
支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交
際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員
(管理部)・販売員給料手当、支払利息、割引料、
従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理
費
労務費、福利厚生費はなかなか難しいので、他の部分から、聖域を設けずに見直すことが必要だと思います。
水道光熱費、旅費、通信費、支払運賃、荷造費、広告費、宣伝費、交際・接待費など。いかがでしょうか。まだまだ見直せる部分がおおいのではないでしょうか。
Posted by J-Log at 21:17 | Permalink
2011年09月19日 | マネジメント
原価を変動費と固定費に分解することを固変分解といいますが、これが結構厄介です。勘定科目表、高低点法、最小自乗法などさまざまな方法があります。
勘定科目法
財務諸表の各勘定科目ごとに変動費、固定費を分解する方法です。
高低点法
過去の総原価のデータから、最高と最低のデータから、原価の推移を直線とみなして(変動比率が一定とみなして)、固定費と変動比率を求める方法です。
最小自乗法
過去の売上高と原価データから、エクセルなどの回帰分析で、固定費FCと変動費率αを求める方法です。
総費用曲線をYとすると
Y=VC+FC=αS+FC
となり、これが売上高曲線(45度線)Sと交差する点が損益分岐点SBEPとなりますので、
SBEP=αSBEP+FC
すなわち
SBEP=FC÷(1-α)
となります。高低点法、最小自乗法の際にご参照ください。
勘定科目法による固変分解については中小企業庁方式をご参照ください。
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_b/bcpgl_05c_4_3.html
【製造業】
固定費 直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却
費、賃借料、保険料、繕料、水道光熱費、旅費、交
通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、
支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交
際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員
(管理部)・販売員給料手当、支払利息、割引料、
従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理
費
変動費 直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、そ
の他直接経費、重油等燃料費、当期製品知仕入原
価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸高、酒税。
【卸・小売業】
固定費 販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合5
0%)、車両修理費(卸売業の場合50%)販売員
旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売
費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給
料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、
土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、
修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公
課、従業員教育費、その他管理費。
変動費 売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車
両燃料費(卸売業の場合のみ50%)、保険料(卸
売業の場合のみ50%)、注:小売業の車両燃料
費、車両修理費、保険料は全て固定費。
【建設業】
固定費 労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従
業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通
費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、
退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引
料、減価償却費、通信交通費、動力・用水・光熱費
(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理
費。
変動費 材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・
光熱費(完成工事原価のみ)運搬費、機械等経費、
設計費、兼業原価。
厄介かもしれませんが、コストダウンを考える場合、勘定科目法による詳細なコスト分類が非常に重要となります。