サプライチェーンマネジメント論

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第5章 グローバル・パイプラインのマネジメント

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「時間は過ぎるのを止め、空間は消え去った。我々が今、住んでいるのは、すべてが同時に起こる世界的な”村”である」…マーシャル・マクルーアン

かつて、この言葉はマクルーアンが世界というコミュニティーの中で、相互依存性が次第に大きくなってきている、ということを指摘したいがための大袈裟な誇張と考えられてきた。しかしながら、今日私たちはこれを現実として受け入れ、生産、供給、そして市場戦略を定式化するためには、世界的な視野で市場を考えることが必要だということに気がつくに至った。

            現在、ほとんどの市場を独占しているのは、グローバル・ブランド、そしてグローバル・カンパニーである。過去20年に渡って、同じブランドの元でつくられた製品を世界の市場へと送り込むということが当たり前であった。コカコーラ、マルボロ、IBMやトヨタがその例である。それと同時に、グローバル・カンパニーは各国で生産し、マーケティングを行うという従来のローカルな考え方を見直し、その代わりに世界的な生産基盤を持つことが普通となっている。

            グローバル・カンパニーの戦略は明確である。市場を広げながら、それと同時に購買と生産のバランスを計り、目的を絞った生産や組立作業を行うことで、費用削減の方法を模索し、自分たちのビジネスを成長させようというものだ。

            しかしながら、グローバリゼーションというものがそれ自体、力を持つものである一方、このことが紛れもなく難しい問題であることも知っておかなければならない。第一に、世界の市場は単一的なものではなく、未だ多くの商品分野において、ローカルな”バリエーション”が求められているということ。第二に、高度に発達したパートナーとの協力関係でもない限り、世界的なサプライチェーンマネジメントにおいて複雑なロジスティクスとは非常に金のかかるものであるということだ。

            これら二つの難問は、次の点で相互に関連するものである。ひとつには、いかにして画一化された世界的生産の長所を活かしながら、ローカルの市場で求められる”バリエーション”を提供するかという点であり、もう一つは原材料の調達から最終消費者へとつながる世界的なチェーンをどのように維持運営するか、という点である。グローバル・カンパニーが利益を追求するあまり、その費用についてあまりに狭い視野にとらわれ、結局、生産の目的を絞ることだけで費用を削減しようとする、という危険な行為に陥らないとも限らない。現実には、長い供給パイプラインのマネジメントにかかる費用が、生産コストにおいて削減した分を上回るところが、総費用のトレードオフと呼ばれるところである。表5-1では、ロジスティクスにおける世界的戦略が、コスト面でプラスに転じる段階に達するまでに考えられる潜在的な費用のトレードオフを表している。グローバリゼーションの推進を決定する上でもっとも大事なことが、市場におけるサービス・ニーズであることは間違いない。企業がそれぞれの市場で求められるサービス・ニーズを理解できずに、費用削減のため、サービスをないがしろにしてしまう危険性もあるのだ。

            生産においても、マーケティングにおいても、グローバル企業に移行しようとする動向は、ロジスティクスやサプライチェーンが利益率向上のためのポイントであることを示唆している。ロジスティクスは、次第に広がっていく商品の範囲と次第に短くなっていくそのライフサイクル、市場の成長、サプライヤー側と受け入れる側である市場を結ぶルートの数といった要因に影響を受けながら、ますます複雑化しているのだ。

            産業活動のグローバリゼーションが、ビジネスの主要な課題となったことは疑う余地がない。ビジネス誌の記事、セミナー、シンポジウム等がこぞって、最近になってその姿を現し始めた、世界的な動きについて取り上げている。このブームの引き金となった企業競争におけるプレッシャーや経営上の難問といったものは、これまでによく立証されてきた。あまり理解されていないのは、ロジスティクス・マネジメント戦略においてグローバリゼーションが意味するものである。

            まず大事なことは、グローバル・ビジネスをはっきりと定義し、国際的(インターナショナル)ビジネス、あるいは多国間(マルチナショナル)ビジネスとの違いを明らかにすることである。グローバル・ビジネスとは単に輸出を行うことにとどまるものではない。グローバル・ビジネスはその原材料や部品といったものを、一国ではなく、複数の国から取り寄せるし、同様に世界中の様々な場所に組み立てや生産の拠点を持っているのが普通である。そこから世界中に向けて製品を送り出す。シンガーミシン社などはその典型的な例だ。ミシン本体部分は米国内の下請業者から、モーターはブラジルから、駆動部はイタリアからそれぞれ購入し、台湾で組み立てて完成品とする。そしてその完成品が今度は世界の市場へと送り出されていく。

            グローバリゼーションへの動きは、ここ数年で急速に高まってきた。人が「実体なき企業」と呼んだものは、現実には、世界的な”村”が確かに誕生しようとする中で、供給する者、生産する者、そして消費する者が、相互に依存していることを認めようとする世界的な流れの一部だったのである。

            レビットのような初期のコメンテーターは、グローバル・ブランドの成長を目の当たりにし、消費者の好みが画一化したために、スタンダード化された商品が、世界中の市場でまったく同じように、受け入れられるようになったのだと説明した。しかしながら、現実のグローバル・マーケティングというものは、彼の説明と異なり、明らかに違うローカルな需要が存在する。従って、ブランドがグローバルなものであっても、商品はそれぞれの国の需要に合わせて、カスタマイズされなければならない。車が右ハンドルか左ハンドルか、テレビはローカルの送信規格に適合したものか、その土地の人々の好みに合ったものか、というのがその例である。

サプライチェーンにおけるグローバリゼーションへの流れ

 世界貿易はこの世紀末に、ほとんどの国のGNP(国民総生産)を凌ぐ勢いで成長しつづけており、近い将来も、ますます成長する余地があるようにみえる。この動きは、新しい市場における需要の増大によって引き起こされただけではなく、GATT/WTO(世界貿易機構)体制下における国際貿易の自由化が重要な影響を与えている。

 かつて企業は、ローカルの需要に合う製品を生産するために、国外に工場を立ち上げた。それが今では、貿易障壁が減り、また国際輸送のインフラが整備されたために、ローカルよりもむしろグローバルな需要に対応できるような量を生産できる工場がほとんどなくなってしまった。

 皮肉なことに、グローバリゼーションへの動きを妨げる壁がなくなってくると、グローバル・コンペティションの原因となるものは増加していった。最近になって現れた経済活動の中で、世界的な生産能力を持った独自の産業が生まれてきている。それと同時に、近年の技術革新や生産能率の向上は、ほとんどの産業におけるほとんどの企業が、低コストで、しかも大量生産ができる能力の向上を意味する。こうしたことすべての結果が、どのような産業においても生産能力は実質的に過剰気味にあり、企業間の競争はかつてないほど激化している、という事実なのである。

            この新しい世界環境の中で、競争力を持ち続けるためには、企業はコストを削減し、サービスを向上する方法を常に模索しつづけなければならない。なぜなら、サプライチェーンの効率と機能性は今までにないほど重要な要素となってくるからである。以下はナイキ社のケーススタディである。

ナイキ:グローバル・ビジネスにおけるロジスティクスの挑戦

 反抗精神溢れる若者をたった一世代育てるのにかかる時間よりも短い時間で、アメリカに本拠地を持つスポーツ用品のナイキ社は、運動靴の概念をがらりと変えた。彼らは安っぽい大衆靴を、高級ファッションとしての地位とそれに見合うだけの値札をつけられたハイテクの高機能商品へと作りかえたのである。技術的に見てもナイキの商品は最先端にあったが、同時にブランド主義のマーケティングを展開し、スポーツ界のスーパースターのコマーシャル出演や宣伝をうまく使って、若い世代のサブカルチャーにおけるイコンとしてのブランドを確立した。しかしながら、どの世界的組織にも見られるように、ロジスティクスとサプライチェーン・マネジメントはナイキにとっても最重要の戦略的課題であった。

            ナイキはオレゴン州ビーバートンの本社から、世界中に渡る「仮想企業」を操作した。その中心部にあるのは、無情ともいえる低コスト生産の戦略と、最高水準にあるR&Dの機能を統合するビジネス・プロセスの複合体である。同社のバスケットシューズ、「エアマックス・ペニー」を例にとって見てみよう。オレゴン州およびテネシー州でデザインされ、オレゴン州、台湾そして韓国で、アジア及びアメリカの技術者により共同で開発される。靴そのものは韓国(大人用)そしてインドネシア(子供用)で生産されるが、52もの部品は、日本、韓国、台湾、インドネシアそしてアメリカの企業から供給される。この商品がいかに複雑なものかは、たった一足の靴が出来上がるまでに、その生産工程で実に120人以上の人の手を渡っていることを考えればわかるだろう。だが同時にこのことは、リードタイムが長期化する危険があることをも意味している。

            こうしたナイキの関連企業全体を結び付けているのは、広範囲にわたる生産活動のそれぞれの段階をコーディネートしている情報システムであり、また部品を正確に正しい時間に集めることができ、同時に完成品を世界中の市場に供給できるような機能を持つロジスティクスのインフラである。大事なのは、その両方とも、絶え間なく行われる商品、原材料、生産工程の革新に十分対応できるようなフレキシビリティを備えており、その結果、毎年300以上もの新しいデザインの靴を市場に送り出すことができる、ということだ。とはいうものの、この驚異的な革新のスピードは、セールスの予想を見誤った場合には、大量の余剰在庫を生むという危険をはらんでいる。

            アメリカとヨーロッパでは、主要市場へのナイキ製品の供給は、スペシャリストであるサードパーティーに委ねられる傾向が強く、彼らはナイキのグローバル・セールスやカスタマーサービス・サポートシステムとリンクしている。このリンクのおかげで、これらのサードパーティーは輸送に優先順位をつけることができ、可能な限り費用効果が高くなるようにオーダーを実行できる。同時に、ナイキの仮想企業におけるすべての意思決定者が商品のアヴェイラビリティについての情報にたやすくアクセス出来ようになっている。また、重要なのは、ファッショナブルな若者が、デザイナーのスポーツシューズから目を背けてしまい、企業としてはスポーツ用品、被服、時計そして眼鏡などに分野を広げて販売することに頼らざるを得なくなった場合に、これらの組織の機能が役立つことだ。サプライチェーンがグローバルで、商品がファッション重視である場合、ロジスティクス・マネジメントがビジネスの成功と失敗を分ける重要な鍵となるのである。

  グローバル・ロジスティクス戦略を組み立てようとすると、注意深い判断が求められる数多くの問題が浮かび上がってくる。特に注意すべきは、マネジメント、生産そして供給をどの程度、集中化させるのが適当か、という点と、どうしたら標準化によって規模の経済を達成しながら、同時にローカルの市場が求めるものを提供できるか、という点である。

            グローバル・ロジスティクス戦略を実行する上で、企業が行うべきことは3つある。工場の生産目的を絞ること、在庫を集中化すること、そして「先送り」である。次にこれらをもう少し細かく見てみよう。

  • 生産の目的を絞った工場

工場における生産の目的を絞るという考え方は非常に簡単なものだ。一つの場所で生産する製品の種類を限定することで、企業は規模の経済を達成できる。国内の市場だけを対象とするビジネスの場合、「ローカル・フォー・ローカル」の生産を行っている。これはつまり、その国の工場において、その国でだけ販売される製品を始めから終わりまで生産する、というものである。これに対し、グローバル・ビジネスでは世界中の市場を一つの市場とみなし、その生産を合理化している。この場合、工場で生産するのは、どこの市場においても使いまわしがきく比較的少量の製品ということになる。

 この方法を選んだ企業の一つにマース社がある。同社が取った方針というのは、工場の生産能力の合理化を一斉に行い、それぞれの工場ごとにその生産を明確に区分けし、全体として需要に応えようとするものであった。その結果、モスクワではアメリカで生産された同社製品「M&Mチョコレート」が出回っていた。同様に、ハインツ社もトマトケチャップをたった3つの工場からヨーロッパ全土へと出荷しており、為替相場の変動によるローカルな費用、そして需要次第で、その生産を移管することができるようにしている。さらには、P&G社は売れ筋の「プリングル」をたったの2つ工場で生産し、世界中の需要に応えている。

 このような戦略は、「グローバル思考」が強まるにつれて広がっていくことだろう。

 とは言え、より高い規模の経済を得るために低コスト生産への道を急ぎすぎては、多くの重要なロジスティクスのトレード・オフを見落としてしまう。その中でも最も明確なトレード・オフは、輸送費と輸送リードタイムへの影響である。あまり重要でない製品の長距離輸送にかかる費用は、生産コストで削減した分をそっくりそのまま台無しにしてしまいかねないものである。そして長すぎるリードタイムも、ローカルの在庫保持の必要性を招き、結局はせっかく浮かせた生産コストを相殺してしまうだろう。

            工場の生産目的を絞ることの問題は他にもローカル向けの包装をしなければならない場合などに出てくる。例えば、全く同じ製品に異なる言語のラベルを貼ったり、別々のブランドのラベルを貼る必要が生じる。こうした問題を解決するためには、市場に送り出す直前まで、最終包装をしないなどの工夫が必要となるだろう。

            また、注文一つでなんでも取り寄せようとする顧客については、製品が様々な場所にあるたくさんの工場で生産されているので問題となる。この場合は、積替え、相互輸送を活用し、どのような地方や生産拠点からでも品物が集まり、まっすぐに顧客へと送られていくようにする必要がある。

            最後に、生産量、そして規模の経済が支配する今日、生産目的を絞った工場へと向かう流れの中で、生産のフレキシビリティにインパクトを与えるものがいったい何か、考えてみよう。これらのことは必ずしも相互に両立し得ないものではない。しかし、生産コストの削減を最優先するような企業では、対応のよさと「多様性」を提供できる能力が成功への重要な鍵となる今日の市場を生き抜くことはできないだろう。

            これらの課題に対処するため、多くの企業がこれまで正しいとされたやり方に疑問を持ち始めた。例えば、コンピュータの分野でヨーロッパをリードするICL社(現在は富士通の傘下)は、その主要部品を極東地域から取り寄せるという、以前からの戦略を見直した。彼らは、この戦略から生じる高額な輸送費、在庫の維持費、そして長いリードタイムでは、生産コストをいくら削減してもみあわないと判断したのである。他のハイテク企業も、同じ理由でその海外生産と調達の戦略を見直している最中である。ハイテク企業では、直接の労務費は10%にも満たないのが普通である。従って、単に労務費を削減するために海外から資源を調達するという戦略は、サプライチェーンの中のどこかで不都合が発生したときには、ほとんど意味がなくなってしまう。

            全体的に見て、工場の生産目的を絞ることによる、ロジスティクス全体へのインパクトは複雑かつ重要なものである。最も理想的な決定をするためにも、後悔するような過ちを犯す前に、全体的なシステムの設計とシミュレーションに基づいて、詳細な分析を徹底して行うことがますます重要になってくるだろう。

  • 在庫の集中化

 グローバリゼーションの到来は、企業の生産拠点を減らし、生産を合理化させたのと同時に、在庫の集中化への風潮をつくり出した。在庫をより少ない場所に保管することで多額の在庫費用を削減することができるという統計上の事実に基づいて、企業は次々に倉庫を閉鎖し、より広い地域をまとめて担当できる地域配送センター(RDC)へと整理統合していったのである。

            例えば、フィリップス社は西ヨーロッパ地域の消費者向け電化製品の倉庫を22箇所から4箇所に減らした。アップルコンピューター社も、13箇所の国内倉庫を2つのヨーロッパRDCへと整理した。どの業界でも、同様な事例は多数ある。

            確かに在庫の集中化というロジックは健全なものだが、とくに最近では、「物理的」に在庫を集中化するのではなく、戦略上、比較的消費者や生産拠点の近くに在庫を置きながら、それでも在庫のマネジメントと管理は中央で行うことでより高い収益を上げることができる、という考え方が注目され始めている。これが「仮想在庫」または「電子在庫」といわれる考え方である。これは、在庫を各拠点に分散させることで市場へのより高いフレキシビリティーを維持しながら、「情報」の集中管理によって在庫削減効果を果たすことができる、という考え方である。同時に、在庫を物理的に集中化させることの不利益をも軽減できる。それは例えば、二重の在庫保持、高額な輸送費、またパイプラインが全体的に長くなってしまうことなどである。

          在庫集中を行う根拠の一つが、「平方根ルール」で効果が上がるという点である。推定の域を出ないが、この経験則は、より少ない場所で在庫を保持することが可能となるような在庫削減を実行するためのヒントを与えてくれる。このルールは、予想され得るシステム全体での在庫削減効果が、合理化前と合理化で減らした後の在庫保管場所の数の平方根に比例する、というものである。例えば従来25あった在庫保管場所を4に減らした場合、在庫の全体的な削減は率にして、√25対√4、つまり5:2となり、実に60%もの削減ができることになるのである。

            多くの企業が、世界中の在庫を一元管理することでの利点に気がついている。しかしながら、この方法を成功させるためには、パイプラインの端からもう片方の端までの需要を、できる限りリアルタイムで完全に視覚化できるような情報システムが必要となってくる。また、こうしたシステムの集中化を行うと、否応なく製品を長距離輸送しなければならなくなり、また時には、顧客に配送するまでのリードタイムを短縮するために費用のかかる航空便を利用しなければならなくなってしまい、輸送費が跳ね上がってしまうことが多い。

            ゼロックス社が、ヨーロッパにおけるスペアパーツ・ビジネスのマネジメントにおいて証明したのは、在庫管理を集中化させ、また情報システムを利用することで、たった半分の在庫しかなくても、エンジニアにより高度なサービスを提供できるようになり、膨大な利益を上げることができる、という事実だった。SKF社もまた、15年以上に渡ってヨーロッパでベアリングの在庫を削減しながら、一方でそのカスタマーサービスを向上させていった。この目ざましい結果は、情報システムの集中化によって達成できたものである。

3.「先送り」とローカライゼーション

 ブランドと商品のグローバリゼーションが進んでいるとはいえ、顧客そして顧客が求めているもには未だ、各国ごとに大きな違いがあることを忘れてはならない。西ヨーロッパのように比較的小規模な市場でさえ、消費者の好みは違うし、もちろん言葉も違う。従って均一化されたグローバルな商品が受け入れられない市場はいくらでもあるのだ。冷蔵庫や洗濯機といった家庭用器具における好みの違いを例にとって見よう。ヨーロッパの中でも北の方に住んでいる人は週一回しか買い物をしないため、大きな冷蔵庫を好むが、反対に南の方ではもっと頻繁に買い物をするので、小さめの冷蔵庫を好むのである。同様に英国人は他のヨーロッパ諸国よりも冷凍食品を多く消費するので、冷凍庫の大きいものを好む。

            洗濯機について考えてみれば、上部から洗濯物を入れるタイプのものと、前面から入れるタイプのもので好みが分かれる。イギリスでは売れている洗濯機のほとんどは、前面から入れるタイプのものだが、フランスではまったく逆である。

            問題は、どうすればグローバルにロジスティクスを組織しながら、ローカルで求められるものを提供できるか、ということである。企業は理想的には、ローカライゼーションによってそれぞれの市場で最大限の成功を収めながら、費用削減の観点から「標準化」によって得られる利益を確保したいのである。

            近年、使われることが多くなった戦略の一つに「先送り」という考え方がある。「先送り」、もしくは、遅延製造の原理は、共通のプラットホーム、部品及び構成要素を持つ商品をデザインしながら、最終的に組み立てたり、注文に応じてカスタマイズするのは、最終的に出荷される市場や顧客の要求が確実に決まってから、というものである。

          この「先送り」の戦略で有利な点はいくつかある。まず、在庫は使用先が決まる前の段階で保持でき、保管形態の種類も少なくて済むので、全体として削減される。次に、在庫の使用先が決まっていない状態なので、優れたフレキシビリティが得られる。つまり、同一の部品、構成要素そしてプラットホームから、何種類もの最終商品を生産することができるのだ。第三に、最終商品の段階で予測を立てるより、在庫の使用先が決まっていない時点で予測を立てるほうが簡単である。この最後のポイントは、ローカルでの予測が、世界全体での予測よりも正確さに欠けるという点で、世界市場に通じるものがある。さらに言えば、ローカルでカスタマイズすることができるということは、全体的に低いコストで、より多くの種類の商品を生産できることを意味する。これが「マス・カスタマイゼーション」の原理である。

            「先送り」によってもたらされる可能性を最大限有効に利用するには、「ローカライゼーションのためのデザイン」という考え方が必要になることが多い。商品と生産工程は、最小限の共通構成要素及び部品から、最大限の種類の商品を顧客に提供できるような半製品の組立、造形そして完成がなされる、という方法を取るように企画、運営されなければならないのである。多くの場合、生産の最終工程はローカル市場、中でも供給センターで行われ、実際の活動は近年ますます第三者であるロジスティクス・サービスのプロバイダーにアウトソーシングされるようになってきている。

グローバル・ロジスティクスの挑戦

 原材料と情報の流れをグローバル・ネットワーク化で管理する場合、一国内のロジスティクスのマネジメントよりも複雑であるばかりでなく、他にもその特徴について深く理解しなければならないことがある。

            せまい範囲でのサプライチェーンと比べて、グローバル・サプライチェーンにとって非常に重要な4つの要素を考えてみよう。これらの要素は、どのようなサプライチェーン計画にも存在するものだが、グローバルな観点から組み合わせてみると極めて重要なものである。それぞれの要素には、それぞれの解決法が必要である。その要素とは次のようなものだ。

供給におけるリードタイムの長期化

 世界的な生産を統合し、ほんの一握りの生産拠点にまとめるということは、それぞれの市場で、それぞれの製品の「バリエーション」が求められることを考えれば、論議を呼ぶものであろう。生産マネジメントにおいては、長いリードタイムが様々な異なる顧客の需要に追いつくための防御策とであるという見当違いの経営判断によって、リードタイムの長期化が当たり前となっていることが多い。生産リードタイムの長期化は概ね人為的な制約であることがわかる。在庫から供給する場合と対照的に、極めて短期的な注文に応じることを可能にしなければならない。

            グローバル・チェーンにおいては、輸送時間の長期化の防御策として、生産工程から顧客の手に渡るまでに、一定レベルの中間在庫を保持することも、やはり必要なことである。しかしながら、その防御策の規模が、生産におけるフレキシビリティの無さや、原材料調達業務の流れの まずさを露呈するようなものであれば、それぞれの市場で在庫を持つことや施設の必要性は疑ったほうがいいだろう。

長くてあてにならない輸送時間

ヨーロッパでは、極東地域、オーストラリア、アメリカとの輸送のやりとりに時間がかかることに慣れてしまっている。日本からロッテルダムへの船便の場合、およそ5週間の輸送時間を要する。これに対し、航空便を利用した場合は、発送から到着までの時間はおよそ5日間である。船便の利用は、公海上で多額な在庫投資をしていることを意味し、またそれは「先送り」というロジスティクスの基本的戦略の使用が厳しく制約されるということでもある。例えば、ぎりぎりまで輸送の決定を遅らせる、といったことができなくなるのである。

            サプライチェーンで実際にかかる費用が細かいところまで理解されてくるのに伴い、航空便の利用はますます増加傾向にある。高額な在庫費用や市場の要求に対するフレキシビリティのなさといった不都合を回避するため、ますます短期間輸送や高速な輸送形態とトレード・オフされようとしている。

            輸送、集荷そして通関はすべて、グローバル・サプライチェーンにおけるリードタイムの遅れと不安定さの原因となるものである。プルース・ヴァン・アムステルはこの事実を、うまく説明している(表5-2)。そして、グローバルな事業を展開するほとんどの企業は、このことが非常に重要な課題であることをその経験から知っている。この結果、ローカルの経営者はこの不安定さを補うために、過剰注文をしたり、二重の防御策を張ったり、さらに生産者や配送会社にプレッシャーを与えたりするのである。

様々な集荷と荷降しの方法の選択

 国際的な輸送手段の選択肢は一つとは限らない。トレードオフは複雑化し、製品や市場の分野ごとに異なった選択肢を選ぶことになるだろう。異なった製品を極東地域のいろいろな場所から、ヨーロッパに輸送する場合に取るべき選択肢をあらわしたものが表5-3である。これらの選択肢は4つの主題に要約できる。

  • それぞれの調達先から最終市場へとコンテナを満載にして直接輸送する。
  • 供給地域で集荷し、最終市場へとコンテナを満載にして輸送する。
  • それぞれの生産拠点で集荷し、目的となる市場で荷降しや中間在庫の作業を行う。
  • 供給地域で集荷し、同時に荷降しを行う。

当然のことだが、在庫保持、倉庫保管、カスタマーサービスや輸送にかかる費用は、いずれの方法でも異なり、製品の特性や需要の状況によって左右されるものである。

様々な輸送形態と費用の選択

 必要とされるリードタイムのことを考えた場合、輸送方法をどのように現実に即した形に組み立てるかは、既に挙げた点と照らし合わせて決めるべきだろう。輸送会社は、船便と航空便の混合輸送、様々なサイズのコンテナ、定期便や不定期便などのサービスを用意している。前に触れたように、長距離の船便ではリードタイムが長くなってしまうために、企業は、在庫保持費用や損失の可能性、そして市場へのフレキシビリティーを考えた場合に十分払う価値があると考える範囲内では、値段が高くなろうとも、航空便を使わざるを得ない。

          ややこしい輸送形態の選択についての交渉は、専門の技能を要する。輸送形態の選択次第では、企業に目に見えて高額な出費をさせてしまうのだ。最近注目を受けている選択は「ドア・ツー・ドア」の輸送会社や、DHL社が市場をリードし、フェデラル・エクスプレス社やTNT社、そしてUPS社などがその後を追う、「インテグレーター」の利用である。「ドア・ツー・ドア」の輸送がもたらす便利さは、短く、かつ信頼のおける輸送時間、通関における迅速さと単純さ、さらに世界規模での位置確認システムにある。

            グローバル・ロジスティクスという観点では、輸送マネジメントの機能は、パイプラインのマネジメントの他、特に最初から最後までリードタイムについての責任を負うところまで広がっていかなければならない。過去には、国際的なロジスティクスの流れにおいてリードタイムが非常に粗末であることも多かった。これらは、ひとつには管理方法の不備によるものであったが、当時は「輸出部」、「輸送部」そして運送業者など外部の企業がそれぞれ勝手に、重要な判断を下していたのである。P&Oグローバル・ロジスティクス社などの国際的なロジスティクス企業にとって急務だったのは、パイプラインのマネジメントに対する、調和の取れた完全なアプローチを実現することだったのである。

            型にはまってしまった国際ビジネス企業にとってさらに問題なのは、彼らがいつもやってしまうことなのだが、コスト削減ばかりを判断材料にして、結局、理想的とは言い難い判断を下してしまうことである。一つの例を挙げてみよう。ある国際的な電子機器企業が極東地域からヨーロッパに部品を移送するための航空運賃を削減しようと考えた。彼らは単位当りの輸送費を削減しようと、シンガポールでコンテナ積込の作業を集約したが、結局、集約コンテナをいっぱいにし、輸送機のスペースを確保するための時間がばらばらになってしまい、リードタイムが極めて不安定になってしまったのだ。この問題を解消する一つの方法が、DHL社やフェデラル・エキスプレス社のように「ドア・ツー・ドア」という完成されたロジスティクスの手段を利用することであった。単位当りの輸送というのは、目に見えて高額である反面、全体としてのロジスティクスの費用は低いものであった(パイプラインの末端に置く在庫の必要性は減るし、最初から最後までのリードタイムが極端に短縮されるからである)。それと同時に供給におけるリードタイムの不安定さも劇的に減少したのである。

グローバル・ロジスティクスの組織化

 企業が国際的なサプライチェーンを展開するのに伴い、彼らはどのようなグローバル・ロジスティクス組織を構成すべきかという判断を迫られるようになった。それぞれ違う道をたどりながらも、最終的には同じ結論にたどり着いた。その結論とは、グローバル・ロジスティクスの効果は大規模な集中化を行うことによってのみ達成される、というものであった。このことは多くの点で、企業としての意思決定の責任が、少なくともSBU(戦略的ビジネス単位)のレベルで委ねられ、そして分散化されるべきとした、それまでの常識に反するものである。この常識は、多くの会社でローカル・マネジメントの強化という形で現れたが、それは国全体のレベルでの自律的な意思決定によるものであることが多かった。これは、ローカルのイニシアチブを促進することではよしとされたものの、完全なグローバル戦略が求められるようになると、機能しないことが多いものである。

            もちろん今でも、ローカルの意思決定を行ったほうが好ましい地域がたくさんあるだろう。販売戦略などはそうだし、プロモーションやマーケティング・コミュニケーションの戦略などもそういえるかも知れない。そうは言っても、グローバル戦略の手法もまた、国内における違いや需要にあわせた形で行えるものである。

            それならば、どのようにグローバル戦略を定式化し、実行すれば、グローバル対ローカルの意思決定のバランスがうまく取れるのだろうか。

            それぞれの市場環境や産業の特性は、個々の企業で異なるため、そのすべてに渡るような解決法を論じることはできない。しかしながら、いくつかの一般的な原理がその姿を現し始めている。

  • ロジスティクスの流れについての戦略構成や包括的管理は、世界的な費用効果を上げるためには、集中化されなければならない。
  • カスタマーサービスの管理とマネジメントが、競争において優位な位置を確保し、それを維持するためには、それぞれの市場の要求にあわせて、ローカライゼーションされなければならない。
  • 企業のコア・ビジネスを除くすべてを、アウトソースする傾向が強くなってきたが、グローバルな協力体制の必要についても同様である。
  • グローバル・ロジスティクスの情報システムは、グローバルな費用効果を高めながら、ローカルのサービスの必要に応えるための前提条件である。
  • 組織と管理

 国境を超えた資源調達、生産、そして配送の合理化における潜在的トレードオフを達成できるのであれば、次に必要なことはロジスティクスの意思決定を行う中心的組織を確立することである。国際的な基盤で活動する企業の多くは、グローバルな費用効果を高めようとする中で、確固たる基盤を持つローカルのシステムと組織に制約を受けている。企業は、最小の費用と最大のサービスという2つの目的を同時に目指しているが、これは計画策定を集中化し、ロジスティクスを協調させることでしか達成し得ないものなのだ。

 例えば、ロケーションの決定は、国際的なロジスティクスにおいては収益を左右する基本的な決定要素である。どこで製造し、組み立て、保管し、輸送し、集荷するかという決定が、利益と損失の違いを生み出す。基本的要因コストの国際的な差異、そして為替の変動があるから、ロケーションの決定は根本的な問題となる。また、この決定は設備や機械など固定資産への投資という問題を含むことが多い。つまり、今日の決定が時を超えて、企業の財務および競争における位置に影響を与えつづける。

 生産のグローバリゼーションへの風潮が続く中で、企業はますます、全体的なコスト分析を通してロケーションの決定を考えなければならなくなる。そうすることによって、生産、輸送、そして出荷など、活動関連コストをよりよい形で使うことができるのだ。在庫保持費用や先送りの費用と収益に関する正確な情報もまた、ロケーションを決定する上で重要な要因となる。グローバル・ロジスティクスのネットワークの他、特に生産や在庫保管場所の見直しによるコスト削減と生産効率の向上の機会を得ることは、重要なことである。当然のことながら、グローバル・ネットワークにおけるロケーションの決定は、集中管理されるべきものである。

  • カスタマーサービスのマネジメント

 ローカルな市場が持つ、その独特な性質と需要のため、ローカルのマーケティング戦略の計画により達成されるメリットは、例えそれが包括的なグローバルの指針の域を出ないものであっても、非常に大きいものである。特に個人消費者の需要に応えるサービスを提供する機会が非常に多い、カスタマーサービス・マネジメントにおいては特にこのことがいえる。カスタマーサービス・マネジメント業務は、注文から配達までのすべてのプロセスを実行できる体制づくりはもちろん、どのようなサービスが求められているかを調査することも含む。注文実行のシステムがますますグローバリゼーションし、また集中的に行われるようになる一方で、ローカルなカスタマーサービス・マネジメントを強化しておく必要性が失われることはないだろう。

  • アウトソーシングとパートナーシップ

 前に述べたように、今日のグローバル・ビジネスにおいて大きく変わったことの一つに、アウトソーシングへの風潮が挙げられる。原材料や部品調達におけるアウトソーシングだけでなく、これまでは自社機能として行われるのが当たり前であったサービスのアウトソーシングも進んでいる。この風潮が意味するものは、企業がますます、その企業だけが持つアドバンテージ、つまり企業経営のコア活動だけを残して、それ以外はすべてアウトソーシングしようとすることである。企業は自社のバリューチェーンの中で、コア活動に重きを置くようになったということである。こうした動きは、輸送、保管、そして在庫管理などのサービスが、専門業者やパートナーなど下請け業者によって行われているロジスティクスにおいて特に顕著に見られるものである。

 こうしたパートナーやサプライヤーとのネットワークを維持し、管理する場合、中央組織とローカル組織がともに関わり合うことが必要となってくる。結局のところ、戦略的決定は、ロジスティクス・パートナーとの連携がローカルレベルで最大の効果を発揮するように、サプライヤーの活動を調査、管理しつつ中央組織によって下されるべきである。

  • ロジスティクス・インフォメーション

 グローバル・ロジスティクス・マネジメントは、現実には、情報の流れのマネジメントであるといえる。情報システムとは、原材料、部品、そして完成品の複雑な流れを調整することで、費用効果の高いサービスが行われるようなメカニズムのことを指す。企業が世界的なリーダーシップという野心を達成できるかどうかは、パイプラインを通して、原材料の流れ、在庫、需要をどれだけ視覚化できるかという点にかかっている。パイプラインを通して、最終消費者のいる市場を見据え、需要を把握し、そのままリアルタイムで足りないものを補充するだけの能力がなければ、結局はこのシステムも在庫を余分に持つことでしか対応できなくなってしまう。「在庫のかわりに情報を」というのは決まり文句のようになったが、やはりこのことが最優先されるべき目標である。情報の流れがうまくいかないと、それはそのまま在庫の増加を意味する。ロジスティクス・システムに「クイック・レスポンス」を導入することで得られる大きな進歩は、すべて実際の需要ポイントから直接、サプライヤーのロジスティクスや在庫補充のシステムへと情報の流れが正しく向かうことを前提としている。グローバルな観点では、工場と市場の間に存在する中間在庫は、真に求められている需要を見失わせてしまう。従って、パイプラインの中で、どの部分でも需要をつかむことができるようにし、そして集中的に管理されるロジスティクス・システムに強い実行力を与える情報システムが必要となるのである。

今後の展望

 グローバル・パイプラインのコントロールの実行は、中央のコントロールとローカル・マネジメントのつり合いを見定める企業の能力に大きく依存している。あまりに規範的になるのは適当ではないが、グローバルな企業が日々蓄え続けている経験によれば、一定の業務や機能は、中央のコントロールに力を貸すものであり、その他のことは、ローカル・マネジメントの役に立っている。どのように役立てるかを表5-1に要約した。

表5-1   グローバルな協力関係とローカル・マネジメント

グローバル                                                 ローカル

・理想的な生産と輸送の                               ・カスタマーサービス・マネジメント

 ネットワーク構築

・情報システムの開発とコントロール              ・市場の情報収集

・在庫の保管場所の決定                             ・倉庫のマネジメントとローカルの配送

・原材料調達の判断                                    ・顧客有益性の分析

・国際輸送形態とサービス調達の判断          ・ローカルの販売とマーケティング・マネジメント

                                                                   の結合

・トレードオフの分析とサプライチェーン         ・人員調達マネジメント

 のコストコントロール

 国内レベルでのよりよいロジスティクスのマネジメントを通して、費用効果そしてサービスの質を高める手段について、多くのことがわかってきたのは、この10年くらいのことである。今や企業は、これらの教訓をより大きなステージで実行に移すべき段階に来ている。国際競争が激化し、国内の規制緩和がすすんでいる今、グローバル・ビジネスの時代に突入したといえるだろう。今後、世界市場における成功と失敗の違いを決定するのは、優れた製品技術でもなければ、マーケティング・コミュニケーションでもなく、グローバル・ロジスティクスのパイプラインを管理し、コントロールする、その方法となるだろう。

図5.1 Trade-offs in global logistics        グローバル・ロジスティクスにおけるトレード・オフ

Costs            コスト

Localized      ローカライズ

Global          グローバル

Degree of globalizationグローバリゼーションの度合い

(production/sourcing/marketing)(生産/供給/マーケティング)

Transport     配送(ユーザーへの供給)

Inventory     在庫

Materials     材料

Production   生産

図5.2 Pipeline lead times (calendar days)             パイプライン・リードタイム(日)

Depart Far East                                                       出荷からの極東

Arrive N’lands                                                          オランダへの到着

Arrive degroupage center                                         配送センター到着

Arrive central w/house                                             倉庫到着

Booking in system                                                    システム入力

Σof all segments                                                      各セグメントの合計

Maximum                                                                 最大値

Average                                                                     平均値

Minimum                                                                  最小値

Variation                                                                   変動幅

図5.3 Global Shipping options                              グローバル・シッピングオプション

  1.  Direct ship- source to final market                    直接出荷~最終市場に供給

II.Consolidate in region – direct ship to final market 地域で集荷~最終市場に直接出荷

III.Consolidate by source and break bulk locally            生産拠点で集荷し、目的地で荷降し

IV. Consolidate in source region and break bulk locally 供給地域で集荷および荷降し