脱炭素経営のPDCA


0. まず決める

代表者が「脱炭素を経営課題としてやる」宣言→対象範囲を決め、体制を置く。

  • 対象範囲:原則「全組織・全活動」を基本(難しければ段階的に拡大)
  • 体制:代表者(最終責任)/環境(脱炭素)責任者/各部門の担当(総務・製造・物流・営業など)

Plan(計画):まず“見える化”

1) 初期調査(ベースライン):自己チェックで「どこが効くか」を特定

  • 環境への負荷の自己チェック
  • 環境への取組の自己チェック

脱炭素では、まずこの3つを

数値化すれば十分回る(Scope1+2の核):

  • 電気使用量(kWh)
  • 燃料使用量(L:ガソリン/軽油/灯油 等)
  • (該当あれば)冷媒漏えい・ガス

2) 重点テーマを絞る(“全部やる”をやめる)

ベースラインが出たら、CO₂に効く順に上位3テーマに絞る(例)

  • 電力(空調・照明・設備)
  • 車両燃料(配送・営業車・フォークリフト)
  • 工程熱(ボイラ等がある場合)

3) 目標と計画

環境経営目標・環境経営計画を作ります。
脱炭素向けには、次の形が現場で回ります。

KGI(年1)

  • 総排出量(t-CO₂)を前年比▲X%
  • もしくは原単位(t-CO₂/売上、t-CO₂/生産量)を▲X%

KPI(月次)

  • 電気kWh、燃料L、(可能なら)t-CO₂換算、原単位

Do(実行):対策は「運用改善→小投資→調達」の順

実行メニュー(SMEで効果が出やすい順)

A. 運用改善(ほぼ0円)

  • 空調温度・稼働時間のルール化、待機電力削減、ピーク時間の運用調整
  • 配送ルート/積載率/アイドリングのルール化

B. 小投資(回収が読める)

  • LED、空調更新・制御、コンプレッサ最適化、断熱、デマンド監視

C. 調達(中長期)

  • 再エネ電力メニュー、オンサイトPV、社用車のEV/HEV更新(更新タイミングに合わせる)

教育・巻き込み(“やる理由”を短く)

  • 現場向け:「電気と燃料=コスト=CO₂」で統一
  • 営業/購買向け:顧客・取引先要求(サプライチェーンの脱炭素)に備える

Check(確認・評価):月次の数字+四半期レビュー

① 月次(15分でOK)

  • 電気kWh、燃料L、(可能なら)t-CO₂、原単位を更新
  • 目標差分(前年差・計画比)を赤黄緑で判断
  • “悪化の理由”を1行で記録(暑かった、稼働増、設備不調、等)

② 四半期(60分)

  • 上位3テーマのKPI推移
  • 効果の出た施策/出ない施策
  • 次の四半期の打ち手(やめる・増やす・投資検討)

Act(見直し):代表者レビュー→次年度計画

  • 目標達成度(総量・原単位)
  • 主要投資の意思決定(更新計画に組み込む)
  • 次年度の重点テーマの入れ替え(例:電力→燃料へ)

「環境経営レポート」でPDCAを回す

レポート最小構成(A4で2〜4枚)

  1. 代表者メッセージ(方針)
  2. 対象範囲・体制
  3. 電気/燃料/CO₂の実績(前年比)
  4. 今年やったこと(上位3施策)+来年の計画