『経営の精神』加護野忠男
なぜ日本の経営精神が劣化してしまったのだろうか。
第一のおそらくもっとも本質的な原因は、われわれが経営精神という重要な要素を軽視してしまったことにある。
経営の制度やシステムは人々の行動に影響を及ぼすが、それは物理的な制約条件とは違って、人々の行動に直接制約を加えるわけではない。人の内面、精神を媒介にして影響を及ぼす。
この媒介要因を考えずに形式的な制度やシステムだけを変えてしまったことが精神の劣化をもたらした最大の原因である。
精神の重要性に気づいていないのである。その結果、精神の劣化がおこっても気づかないのである。