『経営の精神』加護野忠男

天保9年(1724年)大阪船場に懐徳堂が設立された。この懐徳堂では、現代の学問分野でいえば倫理学、哲学、人間学にあたる学問が講じられていた。

元禄バブルがはじけ、淀屋が大阪から追放されるという経験をした大阪商人たちは目先の実用的知識よりも深い学識に裏付けされた基礎的教養のほうがより大きな価値を持つということを知っていた。