『ミンツバーグの組織論』ヘンリー・ミンツバーグ

マネジメントは、実践の行為である。それは、専門技術でもなければ、サイエンスでもない。マネジメントは、おおむね経験を通じて学習されるものだ。そのため、マネジメントは、クラフトの性格が最も強い。ただし、優れたマネジャーは、かなりの量のアートも活用している場合がある。また、ある程度は分析という形のサイエンスも必要だが、それが必要とされる度合は医学や工学などの専門技術に遠く及ばない。サイエンスの偏重、とりわけ数値計測への過剰な依存は、「現代型マネジメント」における厄災の源になっている。

マネジメントは、コントロールと意思決定であり、実行と取引であり、思考とリーダーシップであり、それ以外のもろもろの全ての活動のことでもある。しかも、そうしたすべての要素の単なる総和ではなく、すべてが混ざり合ったものだ。