『物流はどう世界史を変えたのか』玉木俊明
インターネットの発展が、グローバリゼーションの大きな要因であると考える。それは間違いなく正しい。だがそれと同時に、物流がどのように発展していったのかという側面に目をむけなければ、グローバリゼーションの重要な一面を見落とすことになって物流しまう。世界中の商品が自宅に届くということは、国際的な物流システムの発展があったということである。
したがって、グローバリゼーションの研究とは、物流システムの発展の研究と言い換えることもできよう。けれども物流の歴史の研究はあまり進んでいない。人々はどのようにして商品を入手したのかということはあまりわかっていないのである。
これまでの歴史研究は、いわば商品の開発に主眼を置いた研究であり、具体的な商品の入手経路の研究は、それと比較するとあまり進展していない。いままであまり注目されてこなかった物流にこそ、世界史の動因を読み解く鍵があるのではないだろうか。
Originally posted 2020-05-02 10:04:24.