『戦略の要諦』リチャード・P・ルメルト
会社にとって死活的に重要な課題あるいは機械は何かを分析も理解もせずに恣意的に目標が決められたとすれば、それは裏付けのない目標と言わねばならない。対照的に、良い目標は優れた戦略策定の結果として導き出される。よい目標は組織を前へ進ませるような行動を指し示す。
目標を決めるとき、企業はこれから何をするか、何はしないかを選択したことになる。こうした明確な「目標」は、経営幹部がどこに時間とエネルギーを集中させるか、どこに企業のリソースを配分するかを決定づける。
戦略は、状況変化、直面する課題、スキルと知識、リソース、機械の緻密な分析に裏付けられた判断に基づかなければならない。戦略が願望を実現するためであってもかまわないが、しかし必ず分析に戻づく現実的な内容でなければならない。
戦略を立てるとは、何をすべきかを熟慮の上に判断することだ。すべての願望を同時にかなえるような戦略はあり得ない。現状でどれを進めてどれは断念すべきかを明確にしなければならない。これから進む道筋こそが戦略であり、それが決まればおのずと目標は決まる。目標が決まれば、その実現方法は見えてくる。
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