高橋祥子『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』
ビジネスの場面においては、基本的に、客観的な情報を多く集めることで、未来予測の精度を高め、優れた意思決定をしようと考えます。
しかし、最近の経営学、認知心理学、神経科学では、意思決定には主観的な要素も必要だと結論付けられています。なぜなら、客観的な情報には一定の割合で必ず「過去の情報ではただしく、同じ環境では再現できるが、環境が少し違えば当てはまらない論理」が存在するからです。
これは「バイアスとバライアンスのジレンマ」と呼ばれています。主観的な要素が多いほどバイアスによるエラーが多くなるが、客観的な要素が多くなるとこんどはバライアンス(予測のばらつき)によるエラーが多くなるというものです。
特に不確実性が高い環境であればあるほど、客観的な情報に加えて主観的な判断も求められます。
特に変化が大きく予測できない環境においては、最後に決断する決め手になるのは主観です。
ここで大事なのは、主観だけが大事では決してなく、何が客観で何が主観なのか、お互いの補完関係を明確に認識しておくべきだということです。
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