資本主義再構築のためのパーパス（共通目的）の重要性（３）

『資本主義の再構築』レベッカ・ヘンダーソン

目的 主導 型 の マネジメント が 普遍的 では なく、 少なくとも 一般的 で ない のは、 それ 自体 が 本質的 に 第一 級 の アーキテクチュラル・イノベーション で あり、 自分自身 や 従業員、 会社 組織 について まったく 新しい 形 で 考える こと を マネジャー に 求める から だ。 そして 残念 ながら、 多く の マネジャー は １００ 年 以上 前 からの 世界観 と、 それ に 伴う 従業員 に対する 見方 および マネジメント の 手法 に 囚われ て いる。 資本主義 を 再 構築 する と すれ ば、 こうした 世界観 が どこ から 来 た のか、 どう すれ ば 変え られる のかを 理解 し なけれ ば なら ない。

大多数 の 従業員 は 基本 的 に 愚か な 機械 で あり、 マネジャー の スキル と 専門 知識 が あっ て こそ 使い物 に なる という 考え方 を 大幅 に 強化 し た のが「 科学的管理法」 で ある。 これ は マネジメント に 科学的 な お墨付き を 与える もの として、 20 世紀 の かなり の 期間 を通じて ＧＭ のみ なら ず ほとんど の 大 企業 で 常識 として 定着 し た。

テイラー の 手法 の 推進 者 たち は、 あらゆる 専門 知識 を マネジメント に 委ね、 従業員 を 機械 の よう に 管理 する こと には 欠点 も ある と 認める ものの、 生産性 の 押し上げ 効果 が 大きい こと から、 そうした 費用 を かける 価値 は 十分 ある と 主張 する。

テイラー の 考え方 が 広く 受け入れ られ た ため、 存在 意義 を 掲げる こと で 生産性 が 大幅 に 向上 する 事実 が 早くから あきらか に なっ ても、 たいてい は 無視 さ れ た。 ようやく その 事実 が 認識 さ れる に 至る と、 今度 は、 新しい 働き 方 を 導入 する のは とてつもなく むずかしい こと に 企業 は 気づか さ れる よう に なっ た。

共有 価値 を 生み出す 新た な ビジネス モデル を 発掘 しよ う と する なら、 その ビジネス モデル を 実現 する こと が できる と すれ ば、 そして、 しっかり と し た 社会 を 築く ため に 必要 な 良質 な 雇用 と 職場 を 創出 しよ う と 思う ので あれ ば、 目的 主導 型 の リーダーシップ が 不可欠 で ある。