『良い戦略、悪い戦略』

良い戦略に必要なのは、さまざまな要求にノーと言えるリーダーである。戦略を立てるときには、「何をするか」と同じくらい、「何をしないか」が重要なのである。

戦略の極意は、本当に重要な問題をみきわめ、そこにリソースや行動を集中することにある。これは、非常に厳しい。何かに集中すれば、それ以外を捨てることになるからだ。

戦略とは、ある具体的な課題に取り組む行動を連携・集中させるものでなければならない。各事業部の責任者の「やることリスト」を寄せ集めただけでは、戦略とは言えない。

「全社一丸となる」ような戦略は、得られるメリットが大きいときに限るのが賢いやり方である。すぐれた組織は使い分けをわきまえており、何をやるにも全部門の行動を統率する、といった愚は犯さない。これでは現場に活気がなくなってしまう。通常の活動はそれぞれの部署に委ね、ここぞというときに行動を一点集中するのが賢い戦略であり、賢い組織である。


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