ハーバービュー・ビジネスレビュー2022年6月pp.122-136
3Mのトップマネジメントは従来から、自分たちの役割を従業員の活動を指示、コントロールすることではなく、自主性を伸ばして彼らのアイデアを後押しすることだとみなしている。
会長兼CEOのリビオ・D・デジモニは3Mの哲学こそが絶えざる自己革新力の核心を成してきたと考えている。「シニアマネジメント層の主な役割は、従業員が自社の経営手法を理解、尊重するような社内環境を生み出すことです。(中略)創造と破壊、つまり各人の自主性を後押ししつつ、お役所仕事や斜に構えた態度を打ち破るのが仕事なのです。すべては、経営トップ層と組織の下層にいる人々との個人的な信頼関係を築けるかどうかにかかっています。」
情報化時代における企業の生き残りは、インテリジェンスを獲得し、それを実用的な知識へと変え、組織学習に組み込み、全社に速やかに拡散できるかどうかにかかっている。要するに、情報はもはや本社レベルで収集し抱え込むのではなく、競争優位の源泉として共有し、活用しなくてはならないのだ。
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