20年位前にサプライチェーンの概念が生まれた当時、生産地は集中化し、生産地の近くで在庫を集中化させ、延期の理論で需要に合わせて商品供給するのが最適だと言われました。
実際に、大手企業をこうした動きは続き、生産・在庫の集中化が進んだと思います。
しかし、日本における東日本大震災や、世界的なコロナ禍によって、こうした理論は大きく見直されています。
生産拠点の分散化、在庫拠点の分散化、商品供給の投機化への回帰です。
日本では東日本大震災後、危機管理の側面から国内の生産体制や在庫拠点の分散化は進められてきました。また、国内需要の減少に伴い、企業の海外進出が続き、生産拠点、在庫拠点も分散化されたと思います。
すでに、米中対立などにより、中国から国内への生産・在庫回帰の動きもありましたが、今後、コロナ禍によって、日本の生産拠点である東南アジア諸国での生産調整などよるサプライチェーンの混乱から、再度、国内と国外の生産・在庫バランスの見直しが進められると思います。
集中化と分散化のメリット、デメリットをよく理解した上で、経営の外部環境、内部環境を十分に分析して慎重かつ大胆に意思決定することが重要です。