厚生労働省の統計によると、道路貨物運送業の賃金水準は全産業平均に比べて低い水準で推移している。その一方で、トラックドライバーの年間労働時間は、全産業平均と比較して長時間となっている。
2016年における大型トラックドライバーは年間平均447万円、中型トラックドライバーは年間約399万円であり、いずれも全産業平均年間約490万円を下回っている。この背景には、規制緩和の結果生じた過当競争環境下での運賃の引き上げが相次ぎ、運転者の賃金が減額されていった事情がある。
「平成28年賃金構造統計調査」(厚生労働省)に基づき国土交通省が算出した結果によると、年間の平均労働時間は大型トラックドライバーが2,604時間、中小型トラックドライバーが2,484時間であり、全産業平均2,124時間よりも20%前後長い。加えて、トラック運送業界では長距離輸送等に伴う深夜、早朝、休日にわたる不規則な就業形態が日常化している。