「長期の発展を経験した後のヨーロッパ経済は、14世紀後半から15世紀にかけて収縮の時代を迎えた。この不振をもたらした最大の要員として挙げられるのは、黒死病(ペストの一種)の蔓延である。東方からもたらされ、またたく間にヨーロッパ一円に広まった黒死病は、人口の激減を通じて経済活動に大きなダメージを与えた(封建制の危機)。

 その後、およそ1450年から1650年にかけての時代は、ヨーロッパにとっての変革期に相当する。経済面で大きな発展を見せたこの200年は、ブローデルに従って、「ヨーロッパが栄光に輝く時代」であったと述べることができる。経済のなかでもとりわけ大きな変化を見せた部門が商業・流通部門であった。」谷澤毅『世界流通史』p.157

 2020年に始まったコロナ禍は、ブレグジットなどグローバル経済への反動とともに経済活動を大きく変えると思います。ワクチンの効果が世界的に現れるまでのしばらくの間は、ヒトの移動が制限を受ける一方、情報通信でカバーすることになるでしょう。一方で国内の通販拡大のように、モノの移動は活発化します。修正はあっても経済のグローバル化は止まりません。今後も物流にはチャンスとともに、取り組むべき課題が多いと思います。