物流DXというとデジタル技術を活用して新事業を開発することと考えられがちですが、それは一つの側面です。物流に限らずDXには、新事業開発と、現状の改善と、という側面があります。

新事業領域開発は、DXによ新しい物流サービスを開発、提供していくことです。アマゾン、ウーバーが端的な例で、ロボット、ブロックチェーンなどさまざまな技術を物流分野で応用することで、新サービスを提供することです。

これまでとは全く異なる、破壊的なイノベーションが今後も生まれてくると思いますが、物流はインフラ産業なので、スマホの登場のように一気に市場を席捲するようなことは困難で、帆船から蒸気船への転換、在来線からコンテナ船への転換のように時間を要するものと思われます。

もう一つの側面は、物流業務の効率化です。地味ですが、こちらが本質的には重要だと考えています。物流はインフラ産業なので、地道な改善の積み重ねが何時も間にか全く新しいサービスを生むものだと思います。長い時間をかけて、いつの間にか変わっているいった感じでしょうか。

効率化は改善とも言い換えることも出来ます。改善にはさまざまな手法がありますが、大ざっぱにいえばPDCAを回しながら業務のムリ・ムダを省き続けることです。手段が目的化するとムダな投資になる恐れがあります。目的を良く理解して、自社の実情にあったムダのないデジタル技術を活用して、物流改善を図ることが重要です。