メーカーでは、製造原価の中で最大の割合を占めるのが、原材料費、部品費です。労務費(人件費)よりも大きな割合を占めます。そのため原材料費の圧縮がコストダウンに一番効果があります。

まず生産工程での歩留まり向上や中間品、製品の陳腐化ロスの削減などが求められます。

資材・物流部門としては、資材購入費の削減が考えられますが、購入先との折衝などがあるため直ちには対応できません。社内で対応できることとしては、在庫の削減です。

在庫削減策としては、まず伝票上の在庫数と現品との一致が大前提となります。正確な在庫数量の把握を前提として、さまざまな在庫管理理論に基づく在庫削減手法が検討されるからです。数字と現品が一致しない限り、理論に基づく仮説も全く意味を持ちません。

在庫の数字と現品を一致させるためには、保管する棚ごとに棚札などの簡単な在庫管理伝票を用意して、材料・部品の入庫・出庫ごとに都度記入することが必要です。棚札の記載内容は、材料・部品番号、名称、保管場所(棚番)、月日、製造番号、入庫数、出庫数、在庫数などです。これをこまめにつける必要があります。

実際に使用する際には、先入先出が原則となります。食品生産では当然ですが、廃棄ロスなどを防ぐためには、先に入ったものから使うことが原則です。

棚札の数字と現品とを一対一対応で突き合わせて確実に確認することで、数字と在庫数を合わせます。

仮に不一致の場合には、直ちに原因を追求します。解決されない場合には、在庫数を現品に合わせて修正します。