インストラクションデザイン(ID)の紹介

1IDとは何か
・IDの根幹は、研修の現状と目標とのギャップを埋めるための最善の方法を選択して実行し、改善を重ねて徐々に目標に近づけるという研修設計のシステム的アプローチにある。(PDCAサイクル)
・研修で何をどう教えるのか、つまり研修のWHATとHOW以外にも、なぜそれを教える・学ぶ必要があるのか(WHY)を問うことで、研修の学習目標達成だけではなく、さらに上位の目標、例えば職場での行動変容、の達成を目指す。

2ADDIEモデル
PDCAを教育研修設計に援用したモデル
・分析(Analysis)
ニーズ、問題点、学習者の性質、学習課題など
設計(Dsign)
学習目標の設定、ストーリー、アプローチの選択
・開発(Development)
教育素材の作成、トレーニング素材開発、コンテンツ作成
実装(Implementation)
スマホ、タブレット、PC
・評価(Evaluation)
達成度試験、小テスト、アンケート

3ARCS(アークス)モデル
研修の魅力を高めるため学習意欲の問題に対して、
注意(Attention) おもしろそうだ
関連性(Relevance) やりがいがありそうだ
自信(Confidence) やればできそうだ
満足感(Satisfaction) やってよかった
の4要因から検討して研修の魅力を高めるIDモデル。

(1)注意(Attention) おもしろそうだ
研修は導入で決まる。受講者の注意を刺激して、今日の研修は何かが起こりそうだ、という気持ちにさせる。さらにその注目を集めることが研修の確信に迫っていく方向で導入を工夫することが肝要。
A-1 知覚的喚起 
不思議さから好奇心を刺激すること
A-2 探究心の喚起
マンネリを避けること
A-3 変化性
(2)関連性(Relevance) やりがいがありそうだ
?研修にやりがいを感じてもらうためには、研修の内容が「他人事」ではなく、自分んい関係が深いことを確認する必要がある。
R-1 親しみやすさ
R-2 目的指向性 研修結果への関心を高める
R-3 動機との一致 プロセスを楽しむ

(3)自信(Confidence) やればできそうだ
やれば何かできそうかを明確にしておく。
C-1 学習要求の明確化 
ゴールを明確に設定し、それを目指すことで、達成時の自信へとつなげる
C-2 成功の機会
着実に一歩一歩進んでいることが実感できるように中間目標を設定し、成功体験を
   積み重ねる。
C-3 コントロールの個人化
自分の努力で成功したんだという気持ちを持つため、自分で学習をコントロール
   すること 
(4)満足感(Satisfaction) やってよかった
努力の結果が報われた、やってよかったと思うためには、努力を無駄に終わらせない工夫が必要
S-1 自然な結果 
身につけたかとを行かす機会
S-2 肯定的な結果
ほめて認めてもらう
S-3 公平さ
   安心して努力できるように、公平さを保つ

4IDの第一原理
効果的な学習環境を実現するための5要件
1.問題(Problem) 現実に起りそうな問題に挑戦する
2.活性化(Activation) すでに知っている知識を動員する
3.例示(Demonstration) 例示がある(Show me)
4.応用(Application) 応用するチャンスがある(Let me)
5.統合(Integration) 現場で活用し、振り返るチャンスがある

5研修の改善策
・加える
研修以外の用途の連携に必要な研修は?
研修前の状況提供、基礎知識確認
研修中に個別進捗確認
研修後に行動計画立案、フォローアップ
・削る
研修以外の手段に移行可能なことは何か
予習や自習に移せるものはないか
動かす
基礎からではなく応用から入る
受講時期の見直し
・変える
スリム化する、ゴールを変える、事例を変える、練習を変える、集合研修の必要性
続ける
継続すべきこと
やめられないこと