経営診断ではよく売上向上を目的とした損益計算書(PL)改善を重視する傾向があります。しかしながら、現在のように売上向上が困難な経営状況の中では、むしろ売上の現状維持が精一杯です。

このような経営状況では、まず貸借対照表(バランスシート)改善を目的とした経営改善に取り組むべきです。特に債務超過など経営状態が悪い場合には、早急にバランスシート改善に取り組む必要があります。

有効活用されていない不動産や使用されていない設備などの不良資産の存在や、ゴルフ会員権、不良在庫、過大な売掛金、返済困難な債務などの存在がある可能性があります。

売却可能な資産については売却して債務を削減して金利払いを減らすことが可能です。不良在庫削減は、直接的には物流コストの削減につながりますが、それだけではなく原材料費や労務賃などの削減といった大きな効果をもたらします。

売掛金も回収期間を短期化することで、キャッシュフローが潤沢となり、短期借入金の削減により支払利子の削減に繋がります。

こうした努力をすることで、銀行なども債務の借換などに応じる可能性がも高まり、債務を圧縮し、金利支払を削減することも可能となります。

こうした努力を続けることで、PLも改善され、黒字化につながるのです。