『イノベーション・マネジメント』

イノベーション・マネジメントの目的とは、不確実なニーズを事前に他社に先駆けて認識し、その実現のために再現可能なかたちで技術を開発し、顧客が直面する不便や不満を解消する製品やサービスとして社会に受容されることにある。それは、顧客に先駆けて顧客の直面する課題(不便や不満)を発見し、解決策を構築する活動である。その巧拙に企業間で大きな違いがうまれるからこそ、企業間で収益格差がうまれ、長期的には企業の盛衰を規定することとなるのである。未来の顧客の課題を事前に発見・同定し、課題解決の方法を再現可能な形で実現することが、イノベーション・マネジメントの課題なのである。

それでは、世の中に存在する大きな利益を生み出す企業とそうではない企業との格差の源泉は、どこにあるのだろうか。それは長年の企業戦略論が解明しようとしてきた基本テーマである。