『コンテナ物語』マルク・レビンソン

経済活動は国境を軽々と超えて世界に広がったのである。輸送コストが低下するに従い、生産地も人件費の高い国から低い国へとシフトする。この流れは、あらゆる国の賃金が同一水準に収斂するまで続くだろう。

コンテナ技術が運賃下落に大きな役割を果たしたことは確かだといえるだろう。 • 過去半世紀の間にみられた貿易パターンや経済活動の拠点の劇的な変化は、コンテナ化との強い関連性をうかがわせる。

地味すぎて、技術革新の研究者の注意を引くことさえできない。20世紀の半ば以降、経済や貿易に影響を与えた要因はあまりにも多く、その陰でコンテナの存在はずっと無視されてきた。