高い効率性ばかりを追求する物流・サプライチェーンから変革し、予定された重複性(redundancy)を持つ物流・サプライチェーンの構築が求められる。

https://j-log.com/2020/04/23/how-to-pandemic-proof-globalization-foreign-affairs/

自由市場主義者の代表格であるハイエクは『隷属への道』で、自由主義の成功が、自由を管理しなければならないという全体主義を生み、その結果自由主義の衰退の原因となったと述べた。これも創世記にあるようにサタンの誘惑によって、人間が誤りを犯した例であろう。

ハイエクは、自由主義のおかげによる広範な経済的発展は、時代が経ってゆくにつれてますます当然なこととみなされるようになり、それが自由に基づく政策の結果であると判別する能力を人々はいっそう失っていったこと、そして自由主義者の融通のきかない「自由放任(レッセ・フェール)」の原則に凝り固まった主張ほど、自由主義にとって害をなしたものはないと指摘する。

現在のグローバリゼーションはどうか。市場主義の成功が、市場がすべてを解決するという市場原理主義思想を生み、市場自体への反発を招いて市場主義の衰退の原因となる可能性があることに注意しなければならない。

ハイエクは、真の自由主義者の政策が目指すところは、社会の諸力がうまく働いていくのを助け、必要であればそれを補充していくことであり、そのために第一にしなければならないことは、その力自体を理解することにあると主張する。

市場は優れた経済機構ではある。その力を最大限に発揮するには、市場がうまく働いていくように助け、必要であれば市場を補完することであり、そのために第一にしなければならないのは、市場の力を十分に理解することであろう。アダムスミスは、社会を成り立たしめるためには、自由の他に自由を制限するためのルールや法、さらには正義や公正の観念などが必要になることを強調した。もっと市場は自愛して大切に育てられるべきものである。

(『風土の経営論』)